永遠の夕暮れ

2021/09/17(Fri)

今朝娘が勢いよく
「行ってきまぁ〜す!!」
と家を出た。
ランドセルが玄関に
置いたままだったので、
急いで追いかけた。

「あっ。忘れてた!」
だって…笑

#結構重い
#マスクは忘れて良いよ

〜・〜・〜

藍染色の様な空が
昔から好きだった。

藍染色から、浅葱色へ続く空は、
この混沌とした都会から、
広く壮大な海へと続く
唯一の道標だ。

雲は、自由に形を変えて、
早く、遅く流れていく。

その雲を眺めるたび、
勝之は自分の置かれている
状況に辟易とした。

(最近は海なんて見てないな…)

「私たち終わりにしましょう…」
急に真弓は切り出した。
伏し目がちな目には、
長い睫毛が揺れいている。

勝之はどこかで、
その言葉をずっと前から
待っていた様な錯覚を覚えて、
しばらくの間、
疲れた顔の真弓を見ていた。

しばらくして真弓は
ゆっくりと荷物を抱えて
歩いていく。
いつもゆっくり動く真弓は、
そこだけ時間の流れが
違うかの様に、
ゆっくりゆっくり歩いていく。
ゆっくりすぎて、
リビングから玄関までが、
まるで永遠に続いている
のではないか?と訝しむ。
真弓は歩いているのか、
止まっているのか、
はたまたムーンウォークの様に、
後ろへ後ろへ進んでいる。

日が傾き、
ヒグラシが鳴き始める。

真弓は一向に玄関に着かないまま、
勝之は真弓の忘れ物に気付いた。

慌てて追いかけて、
勝之は真弓に叫んだ。

「歩くの遅すぎじゃないっ!?」

真弓は、蚊の鳴く様な声で言った。

「ありがとう…」

Fin

続くかも知れない笑
あいしてる
上田慎一郎

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