SHINICHIROU BLOG~月はみていた~Vol.61「親父に逢えたお袋」

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大阪・中之島、予約の取りずらい隠れ家レストラン、
創作料理とワインのお店 上田慎一郎。

シェフ上田慎一郎が綴る、
「たべるおもいで」を通して日々の出来事を見つめるBLOG。

日々の生活にスパイスを。
豊かな食生活を共に!

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2025/09/24  (Wed)

SHINICHIROU BLOG~月はみていた~
Vol.61「親父に逢えたお袋」

いつ、
お袋が天国に行っても、
おかしくない状況の中、
大きな企画が進行していた。

山梨道志村キャンプ。

100人ものお客様と、
沢山の食材や衛生グッズを、
協賛したくださった企業様。
クレソン農家の粟野さん。
それを長期に渡り計画調整、
準備、発信してきたスタッフと
主催者のみんな。

~もし、山梨で
お袋の容態が急変したら…~

ずっとそのことを考えながら、
日々の仕事をしながら、
毎日お見舞いに行きながら、
この企画を進めてきた。

山梨キャンプ二日前、
9月18日深夜。
携帯が響き渡り、
着の身着のまま
自転車で病院へ。
お袋の心臓は
トクントクンと鳴っていた。
深夜2時58分。
お袋は天国へと旅だった。

夜中、
キャンプ主催者の
篠原さんだけに、
ミュートメッセージで
報告する。
~行けないかもしれない…~
朝方篠原さんより、
本当に優しい返信がくる。
その中に、
~クレソンカレー
私たちが頑張る~
それは…只々心配だ…

一旦家に帰ってきた、
母の遺体に尋ねた。

~キャンプ行っていいか?~
~気をつけて行っといで~
即答してくれた、気がした…

お袋のおかげで、
キャンプは無事終了し
沢山の皆様に喜んで頂けた。
わたしは、
気苦労なく心より頑張れた。

改めて、
スタッフ、
主催者の皆様。
協賛頂いた企業様。
ご参加頂いた皆様。
そしてお袋…
心より御礼申し上げます。
本当に本当にありがとう。

山梨から帰り、
すぐにお通夜の準備をする。
母の遺体は、
いち早く会場へ行っていた。

わたしは喪服に着替える。
買ったばかりの
ワイシャツの下に、
Tシャツを着るか少し迷った。
何気なく取った
Tシャツを着たら、
ワイシャツの中、
胸のあたりに一際大きく
「RE BORN」と写っていた。
長渕剛コンサートTシャツ。

いやいや…
喪主がTシャツに
「REBORN」はアカン。
復活はアカン…
みんなの笑いを誘う…
わたしは、
長渕剛のコンサートTシャツを
脱ぎ捨てた。

親父と一緒に、
コーヒーを飲んでるお袋が
笑って見えた。

生んでくれてありがとう
あいしてる
上田慎一郎

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