
SHINICHIROU BLOG~月はみていた~Vol.66「幸せな国」
大阪・中之島、予約の取りずらい隠れ家レストラン、
創作料理とワインのお店 上田慎一郎。
シェフ上田慎一郎が綴る、
「たべるおもいで」を通して日々の出来事を見つめるBLOG。
日々の生活にスパイスを。
豊かな食生活を共に!
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2025/11/26 (Wed)
SHINICHIROU BLOG~月はみていた~
Vol.66「幸せな国」
先日マレーシアに行ってきた。
綺麗なビルが立ち並び、
世界2位の高さを誇る、
ムルデカ118や
ツインタワーは、
経済発展を続ける
マレーシアの象徴のようだ。
特に観光地には人が多く、
多民族国家所以の
多様な飲食店が
軒を列ねていた。
やはりマレーシアも
中華系の人が多く、
特に中華系の飲食店は
人気があり、
豪快で活気があった。
また半数以上のマレー系住民は
イスラム教だ。
女性はヒジャブという布で
頭を覆う。
豚肉、アルコールは
一切口にしないため、
ハラール認定の製品や
レストランも多い。
だからなのか、
ワインやウイスキーの値段が
とても高い。
商業施設や
テーマパークなどでは、
マレーシア国籍の方は安く、
観光客や他国の人間は高い。
我が国でも
導入すれば良いと思う。
わたしが出会った
マレーシアの人たちは、
親切でとても優しかった。
特に子供たちには
優しい印象だった。
ずっと暖かくて、
過ごしやすい気候。
夕方になれば
大抵スコールが降り雷が鳴る。
家賃とタクシー代は、
まだ日本より安い。
それもそのうちに
逆転するかもしれないが。
マレーシアの
ウォーターパークでは、
国際色豊かな
水着の子供たちが、
大きなバケツに溜まった水を、
今か今かと並んで立つ。
ヒジャブをした女の子、
中華系の男の子、
ヨーロッパ、アフリカ、
白人も黒人も、
そして日本の子供たちが、
バケツがひっくり返るのを
今かと待つ。
いろんな言葉が飛び交う。
意味はわからないが、
全員が楽しそうなのはわかる。
わーとか、ぎゃーとか、
笑い声は世界共通。
ついにバケツがひっくり返り、
大量の水が子供達に降り注ぐ。
世界の子供たちが
歓声をあげる。
それは正に
この世のユートピアだった。
そしてわたしは、
改めて思う。
日本で生まれた子供たちは、
とても幸せで、
本当に恵まれている。
我々大人たちは、
子供たちがそれに気づき、
自信を持って、
生まれたことを誇りに思える。
そんな仕事を
しなくちゃいけないな。
わたしは徐に、
満タンになりつつある
バケツの下へ歩いた。
そして、子供達と一緒に
雄叫びを上げた。
あいしてる
上田慎一郎